第3章 visitor
「乱藤四郎だよ。ふふ、ボクと乱れたい?」
「私は、一期一振。粟田口義光の手による唯一の太刀。あ、それと藤四郎は弟達です。宜しくお願い致します」
「石切丸という。病気治癒がお望みかな?」
小さい刀剣から、大きな刀剣まで。理仁は感心したように三人を見つめ、挨拶を交わした。そして……。
「か、兼さん……!?」
堀川の声に、誰もが一斉に彼の視線の先へと顔を向けた。
「オレは和泉守兼定! かっこよくて強い、最近流行りの刀なんだぜ。ふっ」
「兼さん!?」
「うえ!!? く、国広!? なんでお前がここに……ッ」
「僕も主さんに呼ばれたんだ! よかった、こんなにも早く兼さんに会えて!」
「やめろ! くっつくな!!」
じゃれている二人を微笑ましく皆で眺めると、理仁は一度皆を連れて大広間へと向かうことにした。いつまでも大人数で、鍛刀室にいても狭苦しいだけだ。
「俺は審神者の宝条理仁、理仁でいい。好きに呼べ。こんのすけから一通りの説明は受けたのでこれから俺の指揮の下、お前達にはこの本丸で過ごし歴史修正者と戦うことになる……が、その前に数日後に大演練会が開かれるらしい。それに参加し、いい成績を残すと多く資源が支給されるらしい。それに、手入れ不要で何戦でも出来て経験値がもらえる。素晴らしいことだ」
「なるほど……。つまり主さんは、得になることが多いので参加したいってことですね」
「そうだな、堀国は呑み込みが早くて助かる。とりあえず、数日猶予はあるからそれまでに部隊編成をあらかじめ決め、対策を練りながら出陣と手合いを交えて実践経験を積もうと思う。異論はあるか?」
誰も手を上げない、ということは特に反対意見はないということだ。