第3章 【暁のヨナ】蜂蜜の誘惑▶︎ハク
「姫さん、俺だけのものになってください、、、、」
鋭い剣先のような眼差しで、ハクに見つめられると、
いよいよ私は身体が動かなくなった。
いつも側で私を暖かく見守ってくれていた、
その暖かい眼差しとは違った、
私の知らないハクがそこにいるような気がしてしまう。
怖い、、、
でも、それと同時に身体の熱が止まないのもまた事実。
手を引いたり、抱きしめたり、
今までだってそんなような事はした事があるのに、
まるで違う、官能的な行為。
やらしい手つきで背中を撫で上げられると、
ビクリとして、とっさにハクの胸にしがみついてしまう。
「んっ!、、、、、は、、ハク、、、、、」
ハクの一挙一動に身体が徐々に支配されていくのがわかる。
「姫さんは、俺が欲しいですか?」
ふとしがみついていた身体を引き離され、
ハクに問われる。
身体が夜風に当たって、
少しづつ冷たくなっていく。
ハクが触れている両肩だけが、じんじんと暖かい。
「、、、、私は、、、」
「もっと俺に触れてほしくないですか?」
「、、、わからない、わよ、、そんな」
「どうしてです?凄く物欲しそうな目になってますよ?」
「、、、そんなこと、ない、、」
私がどう言葉を返しても畳返すように、
次々と逃げ道を塞がれていく。
「そうですか、、じゃあ、俺がいなくなっても困らないですね。」
何か言わなくちゃ。
そう思うのに、うまく言葉が出てこない。
もじもじとしていると、
ハクは意地悪な顔をして、私の言葉を待っている。
本当の気持ち。
芽生え始めた想い。
言葉にしてしまったら、
いけないような気がしていた、けど。