第1章
――――シュッン
銀色の手入れのほど濾過されている刀が
彼らを斬った。
びしゃり、と音を立てて地面に広がる鮮血。
熱くて、生臭くて、ぬるりとしたもの。
私の中に生まれた罪悪感は、
その直後より、強い風に吹き飛ばされた。
?
『あーあ、残念だなぁ……』
言葉の持つ意味とは裏腹に、
その声はおかしげに弾んでいた。
?
『僕一人で始末しちゃうつもりだったのに、斉藤くん、こんな時に限って仕事が早いよね。』
その人は恨み事を告げながらも、
楽しそうに微笑む。
斉藤 一
『俺は努めを果たすべく動いたまでだ。
……あんたと違って、俺に戦闘狂の気はない』
?
『うわ、酷い言い草だなぁ』
まるで僕が戦闘狂みたいだ、とその人は笑う。
斉藤 一
『……否定はしないのか』
斉藤と呼ばれた人は呆れ混じりの溜息を吐き、そして私に視線を投げかけてきた。
?
『でもさ、あいつらがこの子を殺しちゃうまで黙って見てれば僕達の手間も省けたのかな?』