第1章
チャキン
『え?』
こんなにもあっさり刀を収めてくれるなんて
思っていなかった私は間抜けな声を出していた。
その行動にびっくりしたのは、私だけじゃなかったみたい。
?
『あれ? いいんですか、土方さん。
この子、さっきの見ちゃったんですよ?』
その人が不思議に目を細めると、
土方と呼ばれた人はますます渋い顔をする。
土方 歳三
『……いちいち余計なこと喋るんじゃねぇよ。
下手な話を聞かせちまうと、始末せざるを得なくなるだろうが』
……
さっきのアレは見てはいけないものだったんだ。隠しておきたいものだったんだ。
こんな状況下だというのに私は、
彼等が嫌がる方向へ理解を進めてしまう。
?
『この子を生かしておいても、厄介なことにしかならないと思いますけどね』
ちらりと私に目を向けたその人は、まるで私の心を読んだような発言をする。