第9章 かたちあるもの
「それじゃあ……今から作ろうか?」
僕が不敵に笑ってそう言うと、有希ちゃんの肩がびくりと動く。
「きっと可愛いだろうなあ……有希ちゃんと僕の子なら……」
突然しゅるしゅると衣擦れの音がしたと思ったら、有希ちゃんが自分の帯を解いている姿が目に飛び込んで来た。
「ちょっ……ちょっと!何してるの、有希ちゃん!」
僕は布団から飛び出して、有希ちゃんの開けそうな着物の前を慌てて重ね合わせた。
「冗談だよ。全く……君って……」
「冗談……なんですか?」
まだひくひくとしゃくり上げながら、有希ちゃんは僕を見上げる。
その濡れた瞳に、僕の心臓がどくりと音を立てた。
何も言えずにただ有希ちゃんを見つめる僕の胸に…
有希ちゃんが顔を埋める。
「沖田さんが……好きです。
私を沖田さんのものに…して下さい。」
かたかたと身体を震わせて言う有希ちゃんに、僕の箍は完全に外れた。
「もう…どうなっても知らないからね。」
有希ちゃんの身体を力一杯抱き締めて、激しく唇を奪う。
その間に有希ちゃんの着ている物を全て剥ぎ取り、恥じる隙を与えないように僕は有希ちゃんを抱き上げた。
「今日は…逃がしてあげないよ。」