第8章 遊園地へ Let's go!
『すみません遅くなりました』
キドを背負いながらぺこりとお辞儀するカナ。
オレもカノも手をブンブン振りながら「大丈夫」と言うしかできない。
なんせ、登場の仕方がインパクト強すぎたからな。
先に冷静を取り戻した (もしかしたら欺いているだけかもしれないが) カノが、カナとキドに問いかける。
カ「あのさ、一つ聞いても良いかな?」
『どうぞ』
カ「どうやったらその状況になったの?」
至極もっともな質問だ。
キドが何か言おうとしたが、カナはそれを制して淡々と話し出した。
『実は、中盤くらいで私が驚きすぎてキドに突撃して、その弾みにキドが倒れて足を捻っちゃったんです。それで、お化けが怖いのでキドを担ぎながらダッシュしてきました』
二文を一息で言い切った。すげえ。
ふーん、と素っ気ない返事をするカノに違和感を感じたが、とりあえず今は無視してキドに安否を尋ねる。
シ「そ、そうだったのか。キド、足大丈夫か?」
キ「えっ?あ、ああ。問題ない」
『問題無くないですよキド。一応救護室行きますよ』
そう言うが否や、カナはキドの返事を聞く前にスタスタと歩き出してしまった。
引き止めようとすると、突然カナがくるりと振り向いた。
『すみません二人とも、集合時間ちょっと過ぎちゃうと思うので、伝えておいて貰っても良いですか?』
カ「うん、良いよ。キドをよろしくね」
随分あっさりと返事をするカノ。
カナはぺこりとお辞儀をして、また歩いていく。
しばらくオレは呆然としていたけど、カノがスタスタと歩いて行ってしまったので、慌てて後に着いて行った。