第3章 出会い
アジトの中に入ると、キドがソファに座っていた。
他のメンバーはもう部屋に入ったらしい。
キドは俺に気付いて、顔を上げる。
「おっ、セトお帰り……って、誰なんだそれ!何があったんだ!?」
目を見開いて、キドは立ち上がる。
まあ、それはそうなるっすよね…
「帰り道でぶつかって、急に倒れたんす。それで、放っておけなくて、ここに連れてきたんす」
「そうだったのか…とりあえず、その荷物貸せ。そいつ、このソファに寝かせてやれ」
「了解っす」
パンパンに膨らんだ2つの袋を、キドに手渡す。
キドは少し顔を歪めた。
「おい、セト…これっ…買いすぎだろ…!!」
「あー…特売だったっすから、つい…それに、人数も増えたっすからね」
「それはそうだが……まあ、しょうがないか…」
袋を手に、ヨタヨタとキッチンに向かうキド。
…大丈夫っすかね、あれ…
転ばないか心配になりながらも、背中に乗っているその人を、ソファにそっと寝かせる。
パーカーのフードが取れ、その人の顔を、初めてはっきりと見た。
女の子だった。
色白な肌、整った顔立ち、そこには少しだけ幼さが残っている。
世間一般の『美人』というやつだ。
思わず見とれてしまう。