第8章 遊園地へ Let's go!
『キド、大丈夫ですか?どこか怪我とかしてないですか?』
キ「あ…あぁ、大丈夫だ……」
『そうですか!良かった…』
ほっと胸をなで下ろすカナ。
片膝をついたと思ったら、俺の手を取ってギュッと握りしめてきた。
『すみませんキド。私、キドが泣くほどお化け屋敷嫌いだったなんて…そこまで考えてなかったです……本当にごめんなさい』
申し訳無さそうに項垂れるカナに、俺は慌てて首を振る。
キ「い、いや、カナが謝ることはない!俺が自分でここに入ったんだから、気にするな」
『……キドは優しいですね』
キ「そ、そうでもないと思うけどな…」
突然優しいなんて言われたもんだから、少し気恥ずかしくなってカナから視線を外す。
カナはすっと立ち上がると俺の前へ回ってきて、手を差し伸べてきた。
『とりあえず此処から出ましょう。カノとシンタローさん待たせちゃってますし…立てますか?』
キ「…………悪い、腰が抜けてて……」
デパートのテロ事件の時とは真逆になってしまった。
カナは自分のパーカーを脱いで俺にそのパーカーを被せると、軽々俺を背負いあげる。
『気休めですけど…布多い方が効果音とか聞こえませんよね?』
いや、この薄さだとあまり変わらない気もするけどな。
そう思ったけど、カナの気遣いが素直に嬉しくて「ああ、ありがとな」と言ってキュッとパーカーを握った。
『じゃ、飛ばしますから。しっかり掴まっててください』
キ「おう……って、ん?飛ばすって…カナ、お前何をーー」
『舌噛まないようにしてくださいっ』
キ「え!?な、うぉっ!?!?」
猛スピードでダッシュするカナ。
室内でこんなに走って大丈夫なんだろうか、そもそもセットとか壊さずに行けるのかコレ。
そんな不安が頭をよぎったが、考えてる間に外に出てしまった。
出た先には、驚いた顔をするカノとシンタローが立っている。