第8章 遊園地へ Let's go!
キドside
キ「っはぁ、はぁっ、はぁっ……はあ…」
胸に手を当て、切れる息を抑える様に座り込む。
……カナを置いて逃げ出してしまった。
それも…きゃ、きゃあー……なんてっ…叫んで……!!!!
ダメだ、恥ずかしくて死ぬ……。
一人で身悶えする。
俺は団長なんだ。強くならなきゃ…
お化けなんて乗り越えろ!俺!!
キ「っよ、よし!カナの所に戻ーー……」
勢い良く立ち上がったら、目の前には縄で首を吊るされた血塗れの女。
……やっぱり無理だ。
キ「っっつ…!!!!いっ…いやあぁぁああ!!!!」
思いっきり叫んでまたダッシュして逃げようかと思ったが、どうやら腰が抜けてしまったようで、ペタンと座り込んでしまった。
ぃいいい嫌だ嫌だ!!
こんな所に居座っていたくない!!
は、早く動かないとっ…!!!
溢れそうになる涙を抑えるのも忘れて必死に立ち上がろうとする。
すると、奮闘している俺の肩を背後から誰かがポンと叩いた。
おおおおおお化けか!?
ひっ、と声を上げて肩の手を振り払おうとする。
が、その手は俺の肩を逃がさない、とでも言うようにガッシリと掴んでくる。
リアルに死を感じた、その時だ。
『もしかしてキドですか!?良かった、やっと見つけましたよ!』
キ「へっ!?!?え、あ……カナっ…!?」
聞き覚えのある声に振り返ると、そこには心底ホッとした顔をするカナが立っていた。