第8章 遊園地へ Let's go!
うわ、リアルだな。この血の飛び方とか。
セットか人かは分からないが、そのリアリティに感嘆する。
しかし、
キ「きっ…きゃあああああああっ!!!!」
『ぅわっ!?!?キ、キド!?って、何処に行くんですか!?ちょ、キドー!?』
涙目で叫んだキドは一目散に道の先へと走り出した。
しかも、途中から神隠しにでもあったかのようにスッと居なくなってしまった。
恐らく無意識の内に《能力》が発動したんだろう。
一人取り残された私は、取り敢えずキドが走っていった方向へと足を進めた。
確か、キドの《能力》は目を《隠す》だったよね。
気配を極限まで薄くするって言ってたから…見つけようとすれば見つけられる。
放浪生活で身に付けた野性的第六感を使う時が来た!
一旦足を止め、目を閉じて全神経を集中させる。
その集中状態のまま、私はまたゆっくりと歩き始める。
…あんまり早く歩くと集中が途切れる。
なるべくゆっくり、それでいて早く、気配を追って行かないと。
『……キド、お願いですから…お化け役の人を殴ってしまったなんて、無いようにしてくださいね……』
溜め息混じりに呟いて、キドの気配の跡を辿って行く。
道中、役目を全うしようとするお化け役の人達は、私の顔を見ると怯えた顔をして引っ込んでしまった。
…多分、凄い形相なんだろうな、今。
……驚かせてすみません…。
驚かされに来たのに、逆に驚かせてしまうというこの状況。
お化け役の人達のトラウマにならなきゃいいけど、と切実に思いながら歩いていくのでした。