第8章 遊園地へ Let's go!
「次の方どうぞ〜」
係の人が手招きをする。
カ「あ、僕達の番だ。じゃあ先行ってるね!」
シ「出たら外で待ってっから」
『頑張ってくださいね』
キ「逝ってこいお前ら」
エ「団長さん、字!字が違いますよ!?それだとご主人と猫目さん死んじゃいますって!」
キ「な、何言ってるんだエネ!お化け屋敷に入るなんて死にに行くも同然ーー……はっ!!」
完全に墓穴を掘ったキドは、顔を真っ赤にしてそっぽを向く。
でも、それを言ったのは既に二人がお化け屋敷の中に入っていった後だったので、一番イジりそうなカノがいなかった。
私はそういう趣味はないから、とりあえず聞かなかったことにする。
二人が入ってから暫くして、いよいよ私達の番になった。
キドはさっきから「大丈夫大丈夫…」と小声で呪文みたいに呟いている。
……心底不安だ。何も起きなきゃ良いけど。
「それでは、楽しんでくださいね〜」
お化け屋敷を楽しむって結構無理があると思う。
係の人の決められたセリフにツッコミを入れながら、お化け屋敷に足を踏み入れた。
中はほぼ暗闇で、朧げな灯りによってなんとか足元が見える程度。
冷房が効いてるのか、はたまた恐怖のせいなのか肌寒くて身震いしてしまう。
キ「ちょ、ちょっと冷房効き過ぎじゃないか、ここ…」
『いや…お化け屋敷だから普通だと……』
そこまで言って私は言葉を止めた。
目の前の曲がり角から、血塗れの青白い手がぬっ、と出てきたからだ。