第8章 遊園地へ Let's go!
ジェットコースター乗り場に行くと、ちょうど波が引いた時だったようで、人は殆どいなかった。
キ「お、ラッキーだな。これならすぐに乗れるぞ」
エ「団長さん!私、団長さんのスマホに移っても良いですか?」
キ「ん?ああ、良いぞ」
順番を待っている間、そんなやり取りを横で聞いてた。
しかしそっちのやり取りよりも…沈んだオーラを放っている男子二人の方が気になる。
『あの…カノ、シンタローさん、本当に無理しないでくださいよ?苦手なら止めた方が…』
カ「へ?だ、だから何言ってるのカナ!僕らは大丈夫だって!ね?シンタロー君!」
……欺ききれてないです、カノ。
笑顔がひきつってます。
シ「お、おおおおおう!そそそそうだぞ!」
……シンタローさんに至っては噛みすぎです。
分かりやすい…。
でも、二人がここまで言ってるんだし、逆に止めたら二人の男気に失礼になるかもしれない。
ここはそっとしておこう…。
『……分かりました』
私が頷くのと同時に、私達の順番が回ってきた。
係員の人に促され席に着く。
セーフティーバーを下ろして準備万端。
隣に座るキドとエネさんと、楽しみだと話していた。
「それでは、行ってらっしゃーい!」
マイクを通した明るい声が響いたと思うと、ガタンッと音がしてコースターが動き出す。
初めは平地(?)だったけど、どんどん上昇してって…
前にレールが無くなったと思ったら、急降下した。
身体がふわんと浮く感じが結構楽しい。
その後はまあ、思いっきりカーブしたり一回転したり…いやー楽しかったです。
後ろの二人から、凄い叫びが聞こえてきた気もしたけれど。