第8章 遊園地へ Let's go!
キドはコホン、と一つ咳払いをする。
キ「…さて、と。気を取り直して…何処か行きたいところはあるか?」
カ「今日はカナの歓迎会も兼ねてるから、カナの行きたいとこ行こうよ!」
『えっ…い、良いんですか?』
戸惑いながらもそう言うと皆は笑いながら答えてくれた。
シ「当たり前だろ。お前が主役なんだからな」
エ「そうですよカナさん!今日は目一杯楽しみましょ!!」
カ「そうそう!どんなワガママでも今日は許されるよ!」
キ「遠慮なんかせず、どんどん言ってくれ」
そんな優しい言葉に、不覚にも涙が出そうになった。
でもそこをなんとか堪えて、私はニッと笑いながら
『っ、はいっ…!!ありがとうございます、皆さんっ!!』
そう言った。
みんなの顔が少し赤くなったのは、多分気のせいだろう。
キ「よ、よし、早速行くか。カナ、何処に行きたい?」
『えっと……あ、じゃあ、アレ乗ってみたいです』
私が指差したのは、定番のジェットコースター。
小さい頃身長が足りなくて、兄と父が乗っているのを羨ましそうに眺めていた事を覚えてたから、その時の仕返し(?)だ。
エ「お!良いですね!早速行きましょう!!」
キ「そうだな、混んでるだろうし早めに並ぼう」
エネさんとキドは乗り気みたい。
だけど……
カ「あー……ジェットコースター、か…」
シ「っ……あの記憶が……ぅぷ…」
『え、あ、あの…二人とも大丈夫ですか?苦手なら他のにーー』
カ「え?そんな事言ってないじゃん!ほら、早く行こうよ!」
シ「そ、そうだぞカナ。早く行かねえと人数制限かかっちまうぞ」
エ「ご主人、某有名テーマパークじゃないんですから、それは無いですよ」
シ「う、うるせぇなエネ!知ってるよ!!」
そう言ってそそくさと歩いて行ってしまった。
えぇ…なんか無理してる様にしか見えないんだけど…大丈夫なのかな…。