第7章 夏風邪にご用心
なるべく音を立てないように作業を進める。
まずは汗を拭いて…冷えピタ貼ったら、氷枕をっと…
セ「…ぅ……」
頭を軽く持ち上げたとき、セトさんが小さく呻いた。
『あ…すみません、起こしちゃいましたか…?』
セ「…大丈夫っす…。これ…カナさんが…?」
セトさんは熱で虚ろになった目を、冷えピタの貼ってあるおでこに向ける。
私は軽く頷いた。
『えぇ、まあ…邪魔だったら取りますよ』
セ「そんなこと…ないっす…。…ありがとうっす…」
『いえ、これくらいの事しか出来ませんから。熱高いんだし、寝てください。マリーちゃんも心配してましたよ』
セ「……そうっすか…。…マリーに…心配しないでって…伝えてもらって…いいっすか…?」
『はい。分かりました』
私が頷くとセトさんは安心したように寝に入った。
布団を被せ、私はセトさんの部屋を後にする。
その後、キド、シンタローさんの部屋を回り、難なく作業をこなした。
冷えピタの箱を持ってリビングに戻る。