第7章 夏風邪にご用心
………ほえ?
死んじゃう??……夏風邪で??
呆然としながらも話を聞くと、部屋に入って声をかけても返事も何も無かったとのことで…。
思考が停止する私を他所に、マリーちゃんはまたボロボロと泣き出してしまった。
マ「やだ…やだよぉ……セト死んじゃやだぁ…」
『え、ちょ、マリーちゃん…夏風邪だから死ぬことはないと思いますよ?』
マ「え……そ…そうなの…?」
涙目で見つめてくるマリーちゃん。
本気で心配してるんだ…。
『はい、セトさんは死にませんよ。安心してください』
マ「……良かったぁ……」
マリーちゃんはその場に座り込んだ。
私も良かったよ…マリーちゃん泣き止んでくれて…。
ある意味安堵した私はふと、ある事に気付いた。
マリーちゃんの手にしっかりと抱かれている、箱。
『マリーちゃん、冷えピタ……もしかして…』
マ「あ…あぁあ!!」
またもや涙目になるマリーちゃん。
まあ予想は出来てたよ…うん。
『私が氷枕と一緒に配っておきますよ。ただ、ヒビヤくんとモモさんはもう配っちゃったんで…二人の分はお願いできますか?』
マ「うん…ごめんね、カナちゃん…」
『大丈夫ですよ。気にしないでください』
私はマリーちゃんに笑いかけ、冷えピタを二枚取り出しマリーちゃんの手に握らせた。
『頼みましたよマリーちゃん』
マ「!うんっ…!」
トテトテと歩いていくマリーちゃんを見送り、私はセトさんの部屋にノックをして入った。