第7章 夏風邪にご用心
氷を入れていたら、アジトのドアがガチャリと開いた。
入ってきたのは両手にビニール袋を持ったカノとコノハさん。
カ「っはー、疲れたぁ…て、アジト寒っ!!」
『買い出しお疲れ様です、二人とも。暑い中大変だったでしょう?今お茶淹れますね』
カ「あー、カナありがとう。よろしくー」
コ「…ありがとう」
二人の声を背に、キッチンへと戻った。
暖かい紅茶の中に4つ程氷を入れて冷やす。
二つのコップが乗ったお盆を持って、二人のもとへ。
『どうぞ』
私がテーブルに置くと二人とも飲み始めた。
今思ったんだけど…コノハさん、全っ然汗かいてない。
カノは汗だくなのに…。
やっぱり不思議な人だ。
カ「ぷはっ。ふわーサッパリした!」
コ「…美味しかった…」
『それは良かったです。お二人は休んでてください、私は氷枕配ってきますから』
そう言い残し、私は人数分の氷枕を手に持ち部屋を巡る。
ヒビヤくん、モモさんの部屋に行き、セトさんの部屋に行こうと歩いていた時。
マリーちゃんが部屋の前でオロオロしているのを見つけた。
何かやらかしたんじゃないか、と心配になり駆け寄った。
『マリーちゃん、どうしたんですかこんな所で。何かあったんですか?』
マ「カナちゃん…ど、どうしようっ…!!!」
身体は小さく震えて、目からは涙が溢れている。
私は一瞬ギョッとしたが冷静にマリーちゃんに話を聞く。
『落ち着いてください、マリーちゃん。何があったのか私に教えてくれませんか?』
マ「っ……セ…セトがっ…死んじゃうかもしれないのっ…!!!!」