第6章 2日目のお昼時
そういえば。
私はふっとキドの方を見て呟いた。
『料理する時はフード外すんですね』
キ「まあな。料理すると必然的に暑くなるから、さすがにな」
『なんか…新鮮です』
キ「そうか?」
『はい。キドがフード被ってない時ってあまり見た事ないですから』
そんな話をしながらも、キドはどんどん調理を進めていく。
慣れた手捌きで食材が加工されていく様は、もう芸術の域に達するだろう。
私も、手渡された包丁で野菜を切っているけれど…もんの凄く遅い。
スロー再生でもしてんのかってくらい。
女子としてどうなんだ…
キ「よし、こんなもんか。カナは切りおわ……ってないな」
『うぅ…ごめんなさい…』
キ「大丈夫だ。焦らなくて良いから自分のペースでな。俺は他のやつを先にやってるから」
『はい…頑張ります』
そう意気込むものの、切るスピードは変わらない。
チマチマやって全部切り終わった時には、キドはもう他の料理も作り終わっていた。
いや、早すぎでしょ!?
呆気に取られていると、包丁が止まっている私に気付いたキドが野菜を確認してきた。
キ「うん、良く出来てるな。それじゃあチャーハンを作っていくか」
『あ…は、はい!』