第5章 デパート大作戦
『まず…人質が集められている場所に移動します。その時の状況次第ですが…10人程度なら5秒で蹴散らせます。
…で、殲滅するのは良いんですけど、そこからが問題で…』
シ「…この頑丈そうなシャッターをどうやって開けるか、だろ」
『えっ…あ、はい。そうです』
呆れた様にため息をつくシンタローさん。
ビックリした…。
考えてたことそのまま言うんだもん…。
シンタローさんはおもむろにスマホを取り出すと、イヤホンを抜き取った。
そして、スマホに語りかける。
シ「おい、エネ。どうせ居るんだろ」
エ「……さっすがご主人!バレてましたか」
エネさんの笑い声が聞こえてくる。
どうやら、シンタローさんのスマホの中には、ずっとエネさんが潜んでいたようだ。
それにしても、エネさんを呼んで何を…?
キ「そうか…前と同じ手を使うんだな」
シ「ああ、どうせテロ集団が立て籠もってんのはあの場所だ。そこなら、エネが制御室を乗っ取ってコントロールできる」
エ「はい!ご主人のスマホとコンピューターを繋いでさえくれれば、私の独壇場ですよ!」
『…わかりました。では…シャッターの方はシンタローさんとエネさん…お願いします』
まだ穴ボコだらけの作戦だけど…大丈夫。なんとかなる。
そう思えてしまうのは、多分…独りじゃないからだろう。
誰かが側に居るって…こんなにも安心できるものだったっけ…
“おい、聞こえてるか外の野郎共。今から30分以内に2億円、現金で用意しろ。逃走用のヘリもだ。少しでも遅れたら…こいつらの命は無いと思え。いいな”
感傷に浸っているとテロ集団からの放送が流れてきた。
30分以内か…余裕。
キ「よし…行くぞ。作戦開始だ」
『はい』
シ「おう」
エ「頑張りましょー!」