第5章 デパート大作戦
キ「…ここのデパートは本当に学習しないな。前回の経験を生かしてないのか?」
シ「まあ…全部コンピューターがやってるからな…。人員とかの面もあるし、なかなか変えられなかったんだろ」
なんて現実的な話を……
いや、じゃなくて。
『あの…前回ってどういう…?』
シ「ここは前にもテロに占拠されたんだよ。あの時もコンピューターシステムジャックされててさ…同じこと繰り返してやがる」
キ「まあ、今更言っても仕方のないことだ。とにかくこの状況をどうにかしないとな…」
二人がうーんと唸る。
私も、馬鹿ながらに解決案を絞り出した。
2,3分考えたところで、私は一つだけ閃いた。
ただ、かなりの捨て身作戦だけど…
『ちょっと…良いですか?』
キ「ああ、どうした?何か思いついたか?」
『まぁ…あの、キドの能力って…人に接触したら解けてしまうんですよね…?』
キ「ん?ああ、そうだが…」
私の言葉にキドもシンタローさんも首をかしげる。
私は深呼吸をして言葉を続けた。
『それなら…触れた瞬間に、また能力をかけるのは…可能でしょうか…?』
キ「それは…やろうと思えば出来ると思うが…何をする気なんだ?カナ」
『…私が、敵を殲滅します』
シ「はあ!?おまっ…無茶だろそんなの!!危険すぎる!!」
シンタローさんが声を荒げて言ってくる。
そんなシンタローさんの目を見据え、私は淡々と言った。
『大丈夫です。私は…死にませんから』
シ「なっ…!? そういう問題じゃーー」
キ「分かった、カナの作戦を聞こう」
シ「お、おい!キド…!?!?」
反論しようとするシンタローさんをキドが制した。
シンタローさんはまだ何か言いたそうにしているが、それを無視して話を進める。