第5章 デパート大作戦
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キ「さて、と。カナは携帯は持ってるか?」
一悶着あった後、全員リビング(の様なところ)に集まっている時に、不意にキドが聞いてきた。
『携帯、ですか…?持ってませんけど…』
カ「へぇ〜、今時持ってない人居たんだねぇ。ビックリだよ」
『別に…必要無いじゃないですか』
カノさんの馬鹿にする様な言い方に、少しイラついて口調が強くなってしまった。
それに気付いたのか、カノさんは笑顔を崩さず
カ「いやだなぁ、冗談だって!そんなに怒らないでよカナちゃん」
そう言ってきた。
この人の笑顔は…どこか胡散臭くて少し苦手だ。
キ「…まあともかく、連絡手段が無いと面倒だからな。今日にでも買いに行こう。そうだな…シンタロー」
キドがそう言うと、シンタローさんは顔を上げる。
シ「…なんだよ」
キ「お前、そのテの事について詳しいだろ?一緒について来てくれ」
シ「はあ!? なんでオレが…!!」
エ「それくらい、行ってあげれば良いじゃないですかご主人。カナさんのお風呂覗いたんでしょう?良い罪滅ぼしですよ〜」
エネさんの鋭い指摘にシンタローさんが言葉につまる。
いや…別に罪滅ぼしなんてしてもらわなくて良いんだけどな…。
キ「…決まりだな。俺は能力を使うから行くとして…他に誰か行くか?」
今、とても気になることをさらっと言った様な気がする。
カ「居ないみたいだし、僕らは大人しくここで留守番でもしてるよ。気を付けて行ってきてね」
キ「分かった。留守番頼んだぞ、みんな。カナ、シンタロー、行くぞ」
『あ、はい』
シ「……はぁ」
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