第5章 デパート大作戦
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『……暑い…』
そう呟く私の額からは汗が滴る。
かんかんと照り付ける日差し、コンクリートで反射する熱、ミンミンと煩いセミ、全てが暑く感じる。
キ「大丈夫か?カナ。もう少しで着くから頑張れよ」
『あ…はい。でも…私より、シンタローさんが…』
後ろをチラリと振り返る。
そこには、シンタローさんがこの世の終わりのような顔をして歩いていた。
キドもそれを見たはずなのだが、なんでもない様にまた歩き出す。
『え、ちょ…放っといて大丈夫なんですか…?』
キ「大丈夫だ。こんな程度で死ぬやつなんかそうそう居ないからな。それに、早く屋内に入りたいだろ?」
『…まあ、それはそうですけど…』
キ「じゃ、さっさと行くぞ」
キドはスタスタと先へ進む。
私はシンタローさんを案じながらも、キドの後をついて行った。
何故こんな状況になっているのか
不思議な方もいることでしょう。
一時間程前にさかのぼります。
そうすれば、こうなった原因が分かりますよ。
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