第4章 メカクシ団
まず何時の間にか人が増えてることに驚きだし
赤ジャージさんはなんか可哀想なことになってるし
なんかもう…うん、シュールだ。
「…そう言えば、まだ名前聞いてなかったな」
半分放心状態だった私に、緑髪さんが振り向きざまに言ってきた。
確かに…よく名乗らないでここまで来れたな、私。
それに私もここに居る人達の名前知らない…。
「あ…遅くなりました。私、向野 香奈です。よろしくお願いします…」
「カナか。俺はキドだ。よろしくな」
“ キド ”…?名字かな…?
名前はなんだろ…?
でも、本人そう名乗ってるし…それで呼んでおくか。
「…よろしくお願いします、キドさん」
「さん、なんて付けなくていいさ。呼び捨てで構わないよ」
「あ…はい」
いきなりハードル高いな、この人…いや、キドは。
私が苦笑いしていると、キドがその場に居る全員に聞こえるよう、おい、と叫んだ。
瞬間、全員の視線がこちらに移る。
その圧迫感に気圧されそうになりながら、なんとか耐える。
「こんな状態で言うのもなんだが、団員No.10、新入団員のカナだ」
「…改めまして、よろしくお願いします」
ペコリと軽くお辞儀をする。
すると、猫目さんが椅子に座りながら陽気な感じで言ってきた。
「カナちゃんかぁ。僕はカノだよ。まあ、何はともあれ、ようこそメカクシ団へ!歓迎するよ」
にぃと笑う猫目さん、もといカノさん。
めかくし…団?
なんかよく分からないけど、まあ良いや。