第3章 1.合宿しようよ!
『リコさん!』
リコ「あら、ちゃん!どうしたの?鉄平に用事?」
木吉「ん?呼んだか?」
『いえ、今日はリコさんに用があって。征ちゃ…洛山高校の赤司君から合同合宿の誘いを受けました。そして何の因果か、キセキの世代の皆からも一緒に練習したい、と』
リコさんは持っていたシャーペンを落とす。すごくスローモーションに見えた。てっちゃんも口をあんぐりと開けている。
『降旗君に聞きました。男子も合宿をする予定でしたよね?是非一緒にやりましょう!』
リコ「…」
…あれ?リコさん無反応。
『リコさん?』
リコ「………と…」
『え?』
リコ「なんですとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」
リコさん、シャウト。教室の先輩方もいきなりの大声に耳を抑えていた。
リコ「やる!もちろんやるわ!鉄平、サポート頼んだわよ!」
リコさんは迷いもなく承諾してくれた。
てっちゃん。てっちゃんはWCが終わった後、バスケを休まざるを得なくなった。今ではプレイは出来ないが、コーチとして誠凛バスケ部を支えている。
そして放課後になった。キセキの皆に合同でやろうと言うと、皆も迷うことなく承諾してくれた。皆が揃う事は自然と嬉しいのだろう。途中すれ違ったテツ君にも伝えると、表情こそは変えないが心なしか嬉しそうだった。
「!」
『っわ!大我君!びっくりした…』
「キセキの世代と合宿組んでくれたって本当か!?」
『うん、本当だよ。辰也さんも来るみたい』
「マジかよ!おい、聞いたか黒子!またアイツラと戦えるぞ!」
「僕は知ってましたよ。火神君だけです、知らないのは」
まーたそんな意地悪言って。知ってるのはリコさんとてっちゃん、日向先輩にテツ君だけだったからね。
火神君は一瞬落ち込んだけど、すぐに戻った。よほどキセキとの合宿が楽しみなんだろう。
あたしは綾や梓にも合宿の事を伝えるため、電話をかけた。もちろん2人とも二つ返事でOKしてくれた。
茉実達にも話すと、びっくりした様子だったけど了承してくれた。
そして夜、征ちゃんにも皆が参加することを伝えたら、特に驚く様子もなく、の方こそ相変わらず面白いね、との返事で承諾してくれた。
そして明日から、合同合宿が始まる。