第3章 1.合宿しようよ!
裕太side
さんと赤司さんは俺達の前で抱き合った。恋愛なんかって思ってたけど、ここまで純粋に互いに愛し合っている2人を見てたら、羨ましいとさえ思う。それほどまでに2人は輝いていた。それなのに
裕太「…なんだよ、それ」
康史「チッ…ダセェ…」
亮介「心底失望させてくれますね…」
藤井と富岡と言葉が重なった。花森、高梨も言葉には出さないが苛立ちが見える。それくらい、他のキセキの世代の顔は酷く歪んでいた。
裕太「俺やっぱ無理だわ。佐野みてーに一度は確かに憧れた黄瀬涼太をもう一度尊敬してみようと思ったけど、アイツはそれに値しない」
翔也「…俺達もだよ」
黄瀬先輩は苦虫を噛んだような表情をしていた。さんと赤司さんを見てるのがツライのは分かる。だがそれがどうした?だったら何故行動しない。
笠松「おい橋田。黄瀬呼んできてくれ」
裕太「あ、ウス」
笠松さんも人が悪い。きっとあの人は俺が黄瀬先輩に不信感を抱いているのを分かっている。ま、俺は別にバレても関係ないけど。
裕太「黄瀬先輩」
「!な、なんスか?」
裕太「…笠松さんが呼んでますよ」
「あ、裕太!…俺、今どんな顔、してるッスか?」
裕太「…」
一旦口を開き、思った事を言いかけた。だがこの言葉を言うべきではない。俺はめんどくさい事は嫌いなんだ。
裕太「いつも通り、イケメンモデル(笑)の黄瀬先輩の顔ッスよ」
「…コンニャロ」
それに黄瀬先輩自身が嫌いなわけではない。むしろ俺の事を考えてくれて、気にかけてくれる。だからこそ、あの黄瀬涼太には苛立ちを覚えてしまう。