第3章 1.合宿しようよ!
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『あと1分…』
「…そろそろ次のメニューの準備をしよう」
茉実「ほら、行くよ…」
大丈夫、1年生達を信じよう。…そうは思うけど、思考と行動が一致しない。次の練習まで、つまりタイムリミットまであと30秒。
1年「ただいま戻りました!」
『!!!!』
1年生達が帰ってきた。佐野君も含めた全員が。その佐野君は真っ直ぐに征ちゃんの元へ歩いて行く。
貴司「赤司主将!本当にすいませんでした!僕の勝手なつまらない感情で規律を乱してしまいました!その罰として何でも受けます!だから…だからもう一度チャンスをください!お願いします!」
1年「お願いします!」
「…顔を上げろ。僕は帰れとも何も言ってない。それよりも既に休憩時間は終了している。早く次の準備をしろ」
貴司「はっ!はい!!!」
征ちゃんの言葉に、あたし達2年の同期もクスリと笑う。ほんと、変わったな。征ちゃん。すると佐野君があたしの元にやって来た。
貴司「…さん」
『は、はい…』
貴司「僕はアンタを認めたわけではない。アンタは僕にアンタと赤司主将のバスケを認めさせるって言ったけど、僕も決めた。アンタに僕のバスケを認めさせてやる。首洗って待っとけ!」
『…いいね、そういうの好きだよ。かかっておいで』
佐野君はニヤリと笑うと練習に戻るためにコートに戻って行った。あたしも戻ろうと方向転換を行うと、誰かにぶつかった。
『わぷっ!ご、ごめんなさい!って…征ちゃん』
「…きなのか…」
『え?』
「は貴司の事、好きなのか?」
征ちゃんはさっきあたしが言った言葉を気にしてたみたいだ。それすらも愛おしく感じてしまう。
『せーいちゃんっ!』
あたしは征ちゃんに抱き着く。
『あたしは征ちゃんが世界で一番、大好きだよっ!』
「!…僕もだよ、」
藍「…、赤司君。いちゃつくのは良いけど、合宿中だって事、忘れないでね」
「『!!!…ごめん/すまない』」