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It's miracle!!!~番外編~

第3章 1.合宿しようよ!


貴司「逃げてる?僕が?」

佳苗「自分自身によ。あなたが先輩を気に食わないって思うなら、戦えばいいじゃない。赤司さんを取られて悔しいって思うなら、取り返せばいいじゃない。赤司さんに認められないって言うんだったら、認めてもらえばいいじゃない!佐野君は全部言い訳して逃げてるだけだよ。自分が傷つくのが怖いから、自分を可愛がってるだけ」

貴司「傷付く事など僕は怖くない」

翔也「怖がってんだよ。佐野、今の島崎見てどう思った?」

貴司「…驚いた。大人しい奴だと思っていたから」

翔也「そうだ。島崎は変わったんだ。中学時代島崎ははっきり物事が言えない自分を嫌っていた。それを高校に入って半年間で克服したんだよ。ここにいる奴らだってそうだ」

貴司「…何だよ、自慢か?もういいだろう、お前らが凄いのは分かった。もう帰るよ」

翔也「まだわかんねぇのか!お前だって変わってんだよ!」


…変わってる?僕が?僕自身には何一つ分からない。


康史「佐野、お前はすげーよ。俺達は俺達自身が憧れたキセキの世代に失望した。だけどお前はずっと憧れ続けた。中学時代は茫然と頭を使ってバスケしてるだけだった佐野が、今では赤司さんに追い付こうと必死に努力してる。俺らも見習うべきだと痛感したよ」

貴司「…さっきも聞いただろう。僕が憧れた赤司さんはもう…」

美雪「そんなことない。それは佐野君が1番よく分かってるでしょう」


そうだ、僕はそれくらいじゃ赤司主将を見損なえなかった。むしろ、そこまで信じてもらえているが羨ましかった。


拓斗「さんが気に入らなければもうそれでいい。ただ俺達はさんを尊敬している。お前の意見を俺達に押し付けるなって言いたいんだ」

栞「もし今の話を聞いて赤司さんに追い付こうと思えたんなら、先輩を見返してやろうと思えたんなら、もう少し一緒に頑張ろうよ。今度は一生懸命に」

貴司「…だけど僕はもう…」

拓斗「佐野。バスケ、好きか?」

貴司「…あぁ」

拓斗「だったら理由なんていらねーさ。バスケが好きだから、強くなりたいから練習に参加する。それだけで十分だ。皆分かってくれる」

貴司「…あぁ!」


僕はもう一度歩き出した。今度は赤司主将に認められるように、あの人から取り戻すために。
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