第3章 1.合宿しようよ!
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昼休憩も残り半分を過ぎたところで、全員が無事に課題をクリアした。そして昼休憩の時間を利用して、卒業された先輩方に挨拶をして回った。
笠松「メニューに文句はねぇけどよ、もしかして今日はずっと基礎練か?」
「え!?マジッスか、っち!」
『はい、そのつもりです。皆さんの体力を把握しないとメニューも組みにくいですから。それに体力はつけて損することはありませんから』
今吉「マジでか…ワシもう歳で走れへんのやけど…」
「アンタは妖怪だから大丈夫だろ」
桜井「すいません!すいません!」
笠松さんと今吉さんはいつのまにか仲良くなっていたみたいだった。涼君はともかく、大ちゃんも今吉さんには懐いてたみたいで、ご飯を一緒に食べていてなぜか嬉しくなった。
あたしは自室に戻り、一旦シャワーを浴びた。その帰り。
友香「何よ!先輩の作ったメニューに文句があるの!?」
亮介「ちょっと大空さん!大声出さないでくださいよ!聞こえたらどうするんですか!」
翔也「だいたいこのメニューはさんだけが作ったわけじゃないだろ?お前の好きな赤司さんだって一緒に考えてんだぜ?佐野」
貴司「赤司主将じゃない!赤司主将はこんな意味が分からないメニューは作らない!」
裕太「は?佐野、本気で言ってんのか?これほど目的が分かりやすいメニューは他にないだろ?」
美雪「佐野君、本当にどうしちゃったの?昔はあんなに頭が切れる選手だったじゃない」
1年生だった。今回参加した1年生全員がいる。やはりライバル同士、知り合いだったようだ。
栞「佐野君、あなたこのメニュー作ったのが赤司さんじゃないって分かった瞬間、考えなかったんじゃないの?」
貴司「そ、それは…」
翔也「佐野、お前この合宿では何も得られねぇよ。もう帰れ。これ以上失望させんな」
佐野君はあたしが思っているよりあたしの事が大嫌いならしい。そこまで嫌われたと認識した途端、足が動かなくなった。
貴司「うるさい!お前らにはわかんねぇだろうな!自分が憧れた人を差し置いて、あんな自信過剰な女に心変わりしたお前らなんかに!」
拓斗「さんは自信過剰なんかじゃねぇよ。どうしてそう言い切れる?お前はさんの何を見た?あの人がただの天才に見えるか?」