第3章 1.合宿しようよ!
そして3メンメニューが始まった。全員が強豪にてレギュラーを勝ち取り結果を出してきた人達。なかなかミスが出なかった。良い雰囲気で来てる中、初となるミスを出したのが佐野だった。
佐野のチームは若松先輩と海常の早川さん。うるさい2人に圧倒されたのか。精神力と集中力が足りない証拠だ。
佐野のミスを筆頭に次々にミスが出る。それも1年ばかりに。
その上休憩をはさむが、ダッシュに近いハイスピードでコートを走る。あのダッシュ練の後にだ。全員の表情が苦痛の色を帯びている。そんな中いつもと変わらないのはさんと赤司さんのみ。
康史「ったく、化け物かよ…!」
『藤井君、集中して!』
康史「っ!はい!」
73本目のシュートは俺が担当している。やってやるよ、俺は絶対にミスらねぇ!
康史「!」
意気込んだと同時に力んだのか、俺のシュートは外れた。最悪だ。さんざん佐野のことバカにしといて、結局俺もこのザマかよ…
『藤井君!』
康史「すいません!俺…」
『惜しかったよ、フォームは悪くなかった。ちょっと力が入っちゃったね。考え事?』
康史「怒らない…んですか?」
『怒る理由がどこにあるの?人間に完璧なんて存在しない。大事なのは失敗すること。そしてそこから何を学ぶかという事。藤井君、さっき失敗しちゃった原因は何だと思う?』
康史「俺は…負けてたまるかって思った時に力が入ってしまって…バカみたいッスよね、気持ちだけが空回りして。さんに集中するように言われたばかりだったのに」
あぁ、終わった。さんに認めてほしかった矢先にこんなミスするなんて。