第3章 1.合宿しようよ!
『ちょっと着替えてくるよ。汗かいちゃったし』
茉実「あ、私も行く」
茉実と一緒に更衣室まで行く。すると玲央さんがいた。
玲央「あら、ちゃんに茉実ちゃんじゃない。相変わらず仲良しね」
茉実「玲央さん、こんな所で何してるんですか?」
玲央「コタが着替えるから着いて来てってうるさくて。…ちゃん、タカが迷惑かけてしまってごめんなさいね」
玲央さんは知ってるんだ。佐野君の思いを。茉実は分からないようで、何のこと?と聞いてくる。
『玲央さんが謝る事ではないですよ。大丈夫です、この合宿中になんとかしますから』
玲央「…心強いわ。ほら、用事があってここまで来たんでしょ。早くしないと休憩が終わっちゃうわ」
玲央さんと別れて、更衣室で着替える。茉実だけには簡単に説明しておいた。心配した様子だったけど、大丈夫だよと笑ってみせると、私がいるからという力強い言葉をもらった。
そして次の練習が始まる。
『次は3メンでのレイアップシュートでフィニッシュをしてもらいます。先程と同じように両足に計10kgの重りをつけてもらいます。今からメンバーを発表するので、呼ばれた人から固まってください。藍、お願い』
藍の口からメンバーが発表されていく。あたしのチームは元陽泉の福井さん、桐皇の藤井君だった。
『このメンバーはさっきのダッシュの結果をもとに構成しています。不満がある人は手を挙げてください』
すると伊月先輩の手が挙がる。
伊月「俺は何もこのメンバー編成に不満があるとは思わない。1つ気になるのは、さっきのダッシュのノルマ、全員がクリアしたのか?」
『その件については実は全員クリアとまではいきませんでした。ですが全員予想よりは上回っています。今回はセーフにしました』
「僕が決めた。異論は認めない」
征ちゃんの言葉に静まり返る体育館。この空気を壊そうと、あたしはルール説明を続けた。
『今からこのメンバーで連続シュート成功を200本目指してもらいます』
降旗「200本連続!?」
「あの、僕シュートはともかく、レイアップは苦手なんですが」
「テツヤのチームはテツヤ以外で行ってもらう。テツヤはパスに集中してくれ」