第3章 1.合宿しようよ!
茉実「お疲れ!はい、ドリンクとタオル」
『ありがと。茉実、体力ついたね!』
茉実「と比べたらまだまだだけど、嬉しい!頑張って毎朝走り込みしてた甲斐があったよ」
友香「先輩!私は!?茉実先輩ばっかずるいです!」
『そうだね、友香も想定以上だったよ。2年も1年も、きっと藍たちの設定を軽く10は超えてると思う』
藍「うん!今回の目標は厳しくつけてたんだけど、10以上更新してるよ!特に1年生は予想以上!」
拓斗「立花さん!俺は!?」
美雪「うわっ!びっくりした!いきなり現れないでよ、花森君」
凜子「乙女の領域に飛び込むなんてデリカシーないよ?」
『まぁまぁ、同じ学校なんだしそこまで言わないの』
あまりの言われように拓斗君がみるみる小さくなってしまった。あたしが声をかけると味方がいたのが嬉しかったのか、途端に笑顔になった。
拓斗「さん!やっぱさんは最高ッス!で、俺はどうだったんスか!」
藍「拓斗君はね…うん、上出来だよ!目標より11回多い」
拓斗「よっしゃぁぁぁ!でも何でッスかね?立花さんと監督の見込みは完璧なはずなのに、どうしてそれ以上の結果が?」
佳苗「それ、私も思いました。すごく走りやすかったっていうか…」
本当は自分で答えを見つけてほしかったけど…まあ最初だし、しょうがないか。
『それは相手がいるからだよ』
捺美「相手?」
『今回は合同合宿でしょ?今回収集したメンバーとはほぼ間違いなくIHで戦ういわゆるライバル。そのライバルに負けたくないっていう勝利への執念が限界以上の能力を引き出したの』
優希「なるほど。それに今回はキセキの世代とがいる。引っ張ってくれたってのも要因だったのね」
栞「凄い!さすが先輩!たかがダッシュのメニューでそこまで考えてるなんて!」
『けどその限界を自分で出せるようにならなきゃダメだよ?今のは言い方を悪くすればやらされてるだけ。いつでも引き出せるようになってこそ初めて自分の限界だって言える。それに限界を引き延ばすようにしていかなきゃね』
全員「はいっ!」
拓斗「かっけー…」
ちょっと説教じみたかな…ま、いっか。皆分かってくれたみたいだし。