第3章 1.合宿しようよ!
体育館に行くとたくさんの人がグループに分かれてストレッチやアップを行っていた。キセキの皆もそれぞれのチームの元で練習している。
そんな中2人の人物があたしの所まで走ってきた。
綾「!久しぶり!今日は誘ってくれてありがとう!」
梓「ちゃん!久しぶり!合宿に誘ってくれてありがとう!」
『あ、久しぶり…仲良いね、2人とも』
綾・梓「仲良くない!」
開口一番に同じような台詞を同時に行った綾と梓は、今度は一言一句間違わず綺麗にハモってみせた。WCでのあの件以来2人は和解したが不仲なままだった。
「」
『征ちゃん!うわ、もうそんな時間?ストレッチやってないよ…』
「僕が付き合うよ。行くよ」
『あ、うん!じゃあ綾、梓、また後でね』
綾と梓に別れを告げ、征ちゃんと一緒に誰もいないスペースへ向かう。歩いてる途中に藍とさつきとリコさんがあたし達に気付き、それぞれの主将達を呼んでくれる。
皆集まった所で征ちゃんから今日の主な練習内容を伝えられる。発表していくにつれて皆さんの顔が引きつっていくのが分かった。
日向「…さっき赤司が言ったメニュー、本気か?」
『本気ですよ。このメニューを全てこなさなければ、同じ舞台に立てませんよ?』
若松「鬼だ!このカップル鬼だ!」
「『何か問題でも?』」
全員「ありません」
皆さんが逃げるように解散していき、マネージャーの皆も自分のチームに戻って行く。するとここにはあたしと征ちゃんの2人になる。
「…すまない」
『何で謝るの?あたしが許せなかっただけ。もうこの話はおしまいだよ。ほら、ストレッチ手伝ってくれるんでしょ?』
「…あぁ」
征ちゃんはあたしが思った以上に佐野君の件を誤ってくれる。大丈夫だよ、征ちゃん。
あなたがあたしを必要としてくれるなら、あたしは喜んであなたの力になるから。