第3章 1.合宿しようよ!
「…僕は…」
確かに貴司の言う通り、"勝者こそ全て"、その言葉を信念にやって来た。だがと出会って、WCでキセキの試合を見て、テツヤたちと戦って…僕の中で何かが変わった。それに伴うようにキセキの繋がりも変わった。
いや、正確に言えば元に戻った。僕が心地いいと思っていたあの頃に。
「僕は今の僕に満足している。それを教えてくれたのは紛れもない、だ。と歩む道は誰にも邪魔はさせない」
貴司「主将!本気で言ってるんですか!」
「何度も言わせるな。邪魔をするな」
貴司を睨むと、怯んだ後にを睨む。
貴司「お前のせいだ…お前のせいで赤司主将は…!」
『…はぁ。分かった。そこまで言うならあたしが認めさせてあげる。あたし自身を。あたしの、征ちゃんのバスケを』
貴司「…いいだろう、やってみろよ!そんなことで僕は…!」
貴司が言葉を繋げなくなった。それくらい、は冷たく笑った。
『ふふっ…楽しみにしてるね。佐野貴司、君』
言い終わると、いつものように柔らかい笑みを浮かべ僕に向き直った。
『ごめん、征ちゃん。もう時間だから行くね。また練習の時に。あ、最初のメニューは予定通り行うから』
「…あぁ、すまなかったな」
『征ちゃんが謝らないで。じゃあね』
が立ち去ると、その場に貴司が座り込んだ。よほど怖かったのか、今では肩で息をしている。
貴司「…ハァっハァっ…な…何なんですか、あの女…」
「。僕の愛する大切な彼女だ。本来ならばにあんな表情をさせたお前は退部どころじゃすまないのだが…がやるって言ったんだ、僕は見物させてもらうよ」
やはり君は最高だ。
面白いよ、。