第3章 1.合宿しようよ!
黄瀬side
『あたしは。合宿中よろしくね』
っちは前と変わらず、綺麗な笑顔を浮かべる。だめッスよ、っち。そんなんじゃ…
裕太「!///は、はい!!!」
ほら、裕太が惚れちゃうじゃないッスか。
「裕太、何か用事があって来たんスよね?何スか?」
裕太「あ、そうでした!最初にミーティングするから早く来いって早川先輩と笠松先輩が呼んでます」
『笠松さん、本当に来てくれたんだ。後で挨拶しに行くね』
「はいッス!じゃあ俺はこれで。あとで会おうッス!」
暫く無言で裕太と歩く。っち達の姿が見えなくなったところで裕太に問いかける。
「裕太、俺が言ってた通り、っちは素敵な人でしょ?」
裕太「はい!すごく綺麗な方で、笑顔が素敵で…」
「裕太」
裕太「…はい?」
「っちには赤司っちがいるんスから、惚れちゃダメッスよ」
裕太「…先輩、それは自分に言い聞かせてるんですか?」
俺が裕太を俺独自の愛称で呼ばない理由。それは裕太のこういう鋭い観察眼のせいでもある。素直に認めるところだけど、裕太のはどこか違う。
赤司っちのような威圧感でもなければ、っちのような安心感もない。
だけど確実に的をついてくる。確実に俺の心を覗いてくる。
「…そうかも、しんないッスね…」
裕太「先輩?」
「何でもないッスよ。裕太、休める時に休んでた方がいいッスよ!赤司っちのメニューは本当に地獄を見るから!」
裕太「あ、先輩!待ってくださいよ!って走らないでください!休んどけって言ったのは先輩なのにいいい!」
さぁ、地獄の合宿の始まりッス!