第3章 1.合宿しようよ!
同時刻~誠凛男バス~
黒子side
さんから合宿の話を聞いた時から、楽しみでしょうがなかった。今回のGWは6連休のため、その6連休全てを使って合宿が行われる。
赤司君のメニューは久しぶりすぎて、多分死を覚悟しておかなきゃいけないとか思いつつ、今日を迎えた。
集合場所に着くと、火神君以外皆がいた。もちろん誰にも気付かれる事無く集団に混じる。はずだった。
拓斗「あ、黒子先輩!おはようございます」
「…おはようございます、花森君」
彼は花森拓斗(はなもり たくと)君。木吉先輩の抜けたCを埋めるだけの実力を持つ1年生。紫原君と比べるとやはり差は歴然としているが、彼は監督のお墨付きでまだまだこれから伸びるだろう。
新入生はたくさん入ったが、今回の合宿ではあまり大人数では行えないのに加え、きっと赤司君のメニューに耐えれる新入生は彼しかいない。
拓斗「火神先輩遅いッスねー」
「火神君はいつものことですよ。それより花森君、楽しそうですね」
拓斗「分かります?そりゃあ楽しみッスよ!なんたってキセキの世代と一緒に練習出来るんスから!あと、さんとも!」
花森君はさんの事が好きだと言う。それが恋愛的な意味なのかは僕も知らない。けど、いつも何かとさんに話しかけている。いつもなら何も思わないけど、今回は…
「花森君。さんにはこの合宿中あまり近付かない方がいいですよ」
拓哉「え?何でッスか?」
「赤司君に殺されます」
拓哉「そうッスか…え!?殺され!?」
「赤司君も丸くなったんで実際には殺されませんが、練習メニューで地獄を見ます。忠告はしましたよ」
拓哉「ちょ、黒子先輩!」
火神君がちょうど来たため、僕達も駅へと向かった。途中でさん達女バスと合流し、合宿所へと向かった。何やらさんと監督が話し込んでいたため、多分最初から地獄を見る事になるんだなと思いながら、電車独特の揺れに身を任せていた。