• テキストサイズ

†夏目友人帳† ​~新友人帳物語~

第7章 ◆花火祭り






「 あの…、夏目先輩?

どこへ行くんですか?」



「さっき歩き回ってたら

気になるところを見つけたんだ。」




さなの手を引きながら、

浴衣のさなに歩幅を合わせ

ゆっくりと森の中を進む夏目が

時折、後ろのさなに振り向き

無理させていないかを確認する。




そして、10分ほど進んだところで

大きな岩が目立つ広場に出た。



「 ・・・ここは?」


「よっ・・・と、


ふう。

さな・・・ほら、おいで。」




夏目はパッとさなの手を離すと

目の前の大きな岩の裏に回り

隣接する岩を使って上まで登ると

岩の上から上体を出し、

さなに向かって手を伸ばす。



「 え、・・・の、登るんですか?」


「あぁ、大丈夫だよ。

ほら、掴まって。」




岩の下に構えるさなは

少し困惑しながらも

最終的には夏目の微笑みに負け

体を託すように手を差し出すと

夏目はその手をしっかりと掴み

段差になっている近隣の岩まで誘導し

最後の岩に乗るのを確認すると



「さな、痛かったらごめん。」



そう、前置きをして

さなの腰に手を回し

そのまま岩の上まで引き上げた。



「 わっ!」


いきなりの浮遊感にバランスが崩れ

さながフラつくと

夏目がしっかりと腰を固定し

反対の手で肩を掴んで体制を整える。



「ごめん、大丈夫だったか?」



ふわりと、抱きしめられる形で

岩の上に座らされているのを認識すると

さなは目の前の夏目の問いに

ただ、こくりと頷いた。




「ここが一番、綺麗だと思ったんだ。」




夏目がさなの隣に座り直り

空を見上げて発する言葉に

さなも釣られて空を見上げると、











「 あ、花火ー…!」




/ 406ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp