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†夏目友人帳† ​~新友人帳物語~

第7章 ◆花火祭り





「・・・・・ヒノエ…」



さなに連れられ夏目が目にした光景は

夏目と間違えて西村に寄り添う

顔を真っ赤にしたヒノエだった。


「やっぱり!お知り合いなんですね!」


がっくりと肩を落とす夏目の横で

一際嬉しそうにさなが手を叩く。


「はぁ…

…で、飛んで来たって聞いたんだが?」


夏目は目眩のする頭を抱えながら

ヒノエと西村のそばまで寄ると

ヒノエに対し怒りの目を向け問い質す。



「んー?誰だい?

私は今、私の可愛い夏目と…」


ヒノエはかったるそうに

声をした方に目を向けると

今まで愛でていたはずの夏目が目に写り言葉を失う。



「それは、俺の友達なんだが…?」


夏目と西村を交互に見ているヒノエに

夏目が突っ込むと


「おとこーー?!」


そう叫びながら夏目に抱き着いた。


「また、酔っぱらいか…。」


酒臭いヒノエを振りほどく気にもなれず

ただ、落胆する夏目に背後から


「おい、夏目

小娘を忘れているぞ。」


いつの間にか付いてきていた

元の姿になったニャンコ先生が

背中に笹田を乗せて顔を出した。


「ニャンコ先生

肝試しってヒノエとしていたのか?」



「いえー!

我々もおりますぞ!夏目様!」


夏目の質問に満を持したかのように

登場する中級たち。


「お前ら…」


またも、

夏目にぷすぷすと怒りの煙が立ち上ると




「 折角なので、みなさんで花火見ましょう?」


夏目の服の裾を引っ張りながら

さながニッコリと夏目を見上げていた。


「さな…。


でも、いいのか?

初めての祭りだったんだろう?」



「 沢山いた方が楽しいですし

それに、私にとっては1番

夏目先輩に笑ってて欲しいです。」


ー…ずっと、私を気にかけてくれて

身を削りながらも私に代わって

友人帳の名を返してくれた

…大切な人だから。



頬を赤く染めながら笑うさなを目の前にして

自然と夏目も表情を緩める。


「…そうか。

そうだな、俺も不安がらせてしまってごめん。」



そう笑い返すと二人は花火の方へと目を向けた。








「お嬢ちゃん、話が分かるねぇ!

夏目とは大違いだよ。ほら、あんたもお呑み」




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