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†夏目友人帳† ​~新友人帳物語~

第7章 ◆花火祭り





事の発端は30分ほど前の事。



屋台から花火の会場へと移動していた時


「西村くん、会場の神社知ってる?」


笹田が西村へぼそっと小声で話し掛け

西村が振り返ると、


「…出るらしいのよ、

失恋した女の人の霊が。」


そう言って怪しげに笑う笹田は

とても楽しそうだった。

そして、そんな笹田とは対照的に


「なっ、なんだ。そんなこと

また得意のオカルトだろ?

そんなの、迷信っ!」


冷や汗を大量に流しながら

必死に否定をする西村は回りを見渡し警戒していた。


「でもね、朗報よ。

目撃談は全て階段の最上段だけなの。

だから、私は夏目くんと行ってくるから

西村くんはさなちゃんをお願いね!

浴衣の女の子と一緒に居る男の子が

いつも狙われるそうよ!」


笹田はそう言い残し、

さなから目を離した夏目を引っ張り

別ルートであろう小道へと消えていった。


ー…花火大会の話を嗅ぎ付けた笹田が

夏目が来ると知って行きたがったのは

きっとこれ(オカルト)関係だったからだな…。

しっかし、

浴衣の女の子と一緒に居る男が狙われるって

今の俺じゃねーか…。

失恋後の花火見ながらそんなこと起こったら

ただの厄日…



西村が失恋の後遺症を患わせながら

花火を見ていると



「 あの、笹田先輩は夏目先輩のこと

好きだったりするんですか…?」


的外れな事をぼそりと聞いてくるさなに

西村が再度、視線をさなへと向けると


「えっ?」


西村と向き合うさなの後ろに

微かに白い何かが迫っていた。




「 ?・・・西村先輩?」



さなは何も気付かずに

返答の無い西村を見つめる。



ーこれ、まさか。

はは、さなちゃんに見つめられてるなんて

いつもなら赤面の第一条件だけど

後ろの何かが俺の顔蒼白にしてんだろうなぁ。



そう考えてる間にも近付く白い何かが

すぐ傍まで来た瞬間



「さなちゃん、危ないっ!」


「 へっ?!」


さなを抱きかかえるようにして庇うと

そのまま、西村の頭に何かが命中し






「 西村先輩っ?!」


さなの呼び掛けを遠くに感じながら

西村は意識を手放した。


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