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†夏目友人帳† ​~新友人帳物語~

第7章 ◆花火祭り





バーン!!



花火の開始を知らせるかのように

数発の花火が打ち上げられると

続けざまに暗い夜空を何色にも光らせ

彩っていった。



「うわー!綺麗ねー!」


その花火に見とれ、思わず笹田は言葉をこぼす。


バーン!!


「あっ!これもきれいだわ!

ねっ?夏目くん?」


あまりにも隣の気配が薄くなった為

笹田は確認するように隣の夏目へと目を向ける。



「あ、あぁ…綺麗だな。」


いきなり、笹田に問いかけられた夏目は

はっと我に返ると分りやすく花火の感想を述べた。


「夏目くんの言葉が出ないほど

花火が綺麗なら私も一緒に来た甲斐があったわ」


そうニッコリと笑う笹田は

またも花火へと視線を戻し、

打ち上がる花火一発ずつ感想を零していった。




ー…しかし、




「さなと西村はどこへ行ったんだ?」



用心棒のはずだった夏目が

笹田と2人で神社の階段に腰掛けながら

花火大会を見物している


そんな状況に夏目は思わず疑問を投げかけた。



「ほんとに、ど、どこ行っちゃったのかしらねぇ。

あ、あの2人…。」


何故か目を泳がせ答える笹田に

夏目が疑いの眼差しで笹田を見やる。



ー…イカ焼きを買って会場に向かっていたとき、

俺の手を掴んでここまで連れて来たのは笹田だ。


「きっと、上手くいってるわよ!

夏目くんも西村くんと友達なんだから

しっかり、応援してあげなきゃ!ね?」



「応援…?

一体何の話だ?」


笹田のそらされた話に夏目が頭を捻る。



「あら?夏目くん知らないの?

西村くんはさなちゃんのこと

好きなのよ。

夏の花火大会で結ばれるなんて素敵よね!」



ー…なっ?! 結ばれっ?!



笹田のあまりの発言に

夏目が言葉を詰まらせ、目を見開くと



「ねえ、夏目くん

そんなことより、ここの神社、



出るらしいのよ…。」



「はぁ?」



先程まで花火に興奮していった笹田は何処へやら。

真剣な顔つきで夏目に近寄ると

後ろの神社を指さしそう告げた。




「夏目くんは、見える?」









ー…やっぱり、それが狙いか笹田……。




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