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†夏目友人帳† ​~新友人帳物語~

第18章 ◆柴田ノ恋







「 何なんだ・・・、

何しているんだ・・・柴田。」





はぁ、と

もはや憔悴しきった夏目が

額に手を置き苦しげに呟いた。






そこは、先程の七辻屋の裏から移動し

広場となっている公園端のベンチである。



何故、柴田がここに居て

何故、さなをあんな人気の無い所で

襲うような行動をしていたのか。


考えたってさっぱり答えの見つからない夏目は

ただただ、ため息をこぼすばかりである。





「いやー、さ?

あんな後で言うのもなんだけど。


俺は、

夏目、お前を探してたんだよ。」




ベンチに腰掛け、俯く夏目のそばに

ポケットに手を入れ

片手は頭を掻きながら柴田が言う。





「 俺を?・・・また、妖か?


・・・というかっ、それが何で

さなを襲う事になるんだ?」



柴田の言葉にふと顔を上げ

真剣な表情をする夏目は、

隣に立つ柴田を見上げた後

少し離れた所で

いつの間にか合流しているニャンコ先生と

戯れるさなへ視線を変えて

柴田へと疑問を投げた。




「俺は、たまたま早くに学校が終わって

何も予定がなかったし、


夏目も元気にしてるかと思って

顔出しに来たんだよ。




でまぁ、

そこでたまたま彼女、

さなちゃん?に会ったんだけど


それは話すと長くなるし

俺としては端折りたい。

・・・夏目、あの子と俺の間に起こった事は

見なかった事に」



「駄目だ、出来る訳ないだろ。」





柴田が言い切る前に夏目が却下を下す。


さなに向けていた夏目の視線は

いつの間にか柴田に向いていて、


夏目の真剣な眼差しに打たれ

柴田は驚きの余り眉間に皺を寄せた。




ーそうだった、夏目は頑固だった。

一つでも五つでも問題があれば

それを解決しない限り夏目は全力で

協力するような奴だ。




「仕方ないか、」




ふっ、と息を吐き

観念したように柴田は

夏目の隣に腰掛けた。










「俺、あの子に恋をした。


・・・という訳で手伝ってくれないか、夏目。」






いきなりの、柴田のぶっ飛んだ言葉に


又もや夏目が絶叫したのは言うまでもない。




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