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†夏目友人帳† ​~新友人帳物語~

第4章 ◆二人きり




夏目は外に向かう途中

保護者の方に挨拶を、と思い

半開きになっているリビングの扉をノックした。


「はい。」


無愛想な返事が聞こえると

夏目は扉を少し開け、半歩ほど中に入る。


生活感のないリビングの奥で

スーツ姿のスラリとした男性がソファに腰掛け

低めの机に置かれたパソコンに向かって

手を動かし続けていた。


「何の用だ。」


夏目には一切の視線を向けず

男性は冷たく投げかける。



「はじめまして。

望月さんと同じ世分高校の夏目といいます。

今日は望月さんにひどい熱があるので

様子を見てあげてください。」


夏目は挨拶も兼ねてさなの病状を伝え

看病を依頼すると

男性はパソコンを打つ手を止め

夏目を見やった。


「高校生にもなれば

体調管理は自己責任だ。

君も見たら分かると思うが、

僕は他人に構うほど暇じゃないのでね

さなにもそう伝えてある。

余計なお節介は遠慮して頂こうか。


…夏目くんと言ったか、

君も移らないように早く帰るんだな。」



男性は棘のある口調で淡々と話し終えると

またもパソコンを打ち始めた。


最低限の看病は施すつもりだから安心してくれ。

視線を変えずしてそう付け加えると

夏目は違和感を覚えながらも

さなの家を後にした。


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