第1章 ◆少女の名
「夏目、おい聞こえんのか。起きろ。」
朝焼けが木漏れ日となって
カーテンの隙間から降り注ぐ朝。
まだ起床には早いであろう時刻だと
朝焼けのオレンジが物語っている。
そんな中、薄ら目をあけた俺に
酒くさい呼び声が何度も重なる。
「なんだ、またオールナイトで飲んでたのか。
臭いぞ、ニャンコ先生。」
いつものぼってりとしたボディを自慢げに晒しながら
酒を知らない俺にとっては異臭とも言える臭いが鼻を突く。
そんなことも露知らず
ニャンコ先生は俺の上に乗っかり
神妙な面持ちでこちらを見やる。
そして…
「来たぞ。…レイコだ。」
…………は?