第14章 ◆誕生ノ日
「 って事で今日はパーティだ、夏目!
天気もいいし中庭でBBQと行こうぜ!」
不意に来る肩の重み。
西村が夏目の肩に手を回しニカッと笑う。
回された軍手の手で親指を立てれば
再度、中庭へと降りていった。
「 夏目は肉食えよ、肉!
あと、田沼もな。」
「 え・・・。」
「 俺もか・・・?」
北本がBBQの準備をするべく
西村の後を追って中庭に降りる際
捨て台詞のように投げかける言葉は
田沼にも飛び火した。
「 ・・・まぁ、今日はそういう事だから。
楽しもうな、夏目。」
「 田沼・・・。」
夏目に笑いかける田沼もまた
中庭へ降りて
炭を焚く西村と北本に加勢した。
男子が外でBBQの準備を行う中
夏目も自然と足が出て
中庭に加勢しようとすれば
瞬時にその腕を掴まれる。
「 夏目くん、
今日は何もしなくていいからね!」
「 えっ。」
そこには夏目の腕を掴む多軌。
掴まれた腕を引っ張られ
そのまま部屋へと通された上に
上座へと座らされてしまった。
「 今日は夏目くんが主役なんだから。
準備は任せて!」
「 え、ちょっ・・・!」
多軌は夏目の声も無視し
台所へと去っていった。