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†夏目友人帳† ​~新友人帳物語~

第2章 ◆新友人帳





〝友人帳〟




それは四半世紀も昔、この町では

普通の人には見えない〝妖〟が見えることで

人と上手く付き合えなかったひとりの少女が

憂さ晴らしに見かける妖に勝負を挑んでいた。

ー負けた方が勝った方の子分になるー

という約束を守らせる為に

少女は相手を打ち負かしては

紙に名を書かせた。


それを集めたものがこの〝友人帳〟である。


この〝友人帳〟に名を列ねる妖は

持ち主に名を呼ばれ命令を受けると

逆らうことはできないと言われ、

名が書かれている紙を燃やすと

その名の妖も同じ目に遭うという。


だからこそ、

その少女が居たこの町の妖は

その少女〝夏目レイコ〟を探し回っている。




名を返して貰いたい妖も居れば

中には友人帳を使い悪どい考えを巡らせる

そんな妖も居る。


先程さなを襲った妖は後者であって

さなは友人帳を奪われた時の事を考えると

背筋を震わせた。




「・・・で、貴女は夏目レイコの

〝もう1人の〟孫なのね。」



さながぼんやりと

妖が友人帳を持った時の事を考えていると

目の前の妖がそう付け加えた。


考え事をしていた為に

夏目レイコの孫

としか聞き取れなかったさなは

ハッと我に返る。



そして、友人帳をぎゅっと抱え込み

女性に向き直ると




「 友人帳に書かれている名は

その妖に返す事が出来るんですよね?」




力強く発した。










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