第9章 ◆的場一門
ーパタン・・・
自然に静かに閉められる扉の音が谺響する。
音を立てて走り去る3人の足音は
やがて聞こえなくなり、
室内に残っているのは
のびている式2人と
いつの間に倒されたのか
的場の部下が1人。
そして、的場本人。
「 ・・・分かっていませんねぇ。
夏目くん、
その正義感は時に、悪を招く。」
ニヤリ、と口角を上げ
的場は
窓の外に広がる水平線へと目を向けた。
「 あの人から彼女を
どう守るつもりです?・・・夏目くん。」
腕を組み、
外を眺めながら呟く的場の言葉は
誰も聞く事は無い。
「 彼女を私の元に置くべきだったと
いずれ、後悔するといい。
・・・ふふ。」
不敵に笑う、
その笑顔はすぐに消え。
ガチャと音を立てて
ドアを開ける的場も
その部屋を後にした。