第9章 ◆的場一門
そして迎える、週末の午前。
「 ぅふふーーん♪
海といえば、イカにタコ。
イクラにウニにカニーー♪
ぅんー堪らんっ!
まだ、着かんのか?夏目!」
「 ・・・。」
「 ・・・見つけられるといいですね、
お魚。」
ガタンゴトンと揺れる電車の中で
一際魚介類を叫んで上機嫌なのは
言うまでもなくニャンコ先生。
その姿にどんより、と肩を落とす夏目は
必死にフォローするさなと違い
もはや言葉が出ない状態である。
「 なんで、
先生が着いてくるんだよ・・・。」
「 なっ?!
私はお前の用心棒だぞ!
用心棒たる者、常に用心すべし!」
やっと出た夏目の言葉に対し
ニャンコ先生は威張って
胸を張り鼻息を荒くさせる。
「ついこの前まで他人事のように
用心しろって言っていたくせに。
・・・大体、漁師さんの釣ったものを
捕るのは犯罪なんだぞ、先生。
それに、今日は
海の幸を堪能しに行くんじゃなく
豪華客船見に行くんだからな。」
「 そこは、この私の美ボディと
強烈キュートな愛嬌で
漁師から海鮮と酒を頂戴するのだ!」
「 ・・・。」
「 あはは・・・。」
何度も釘を刺す夏目に
聞く耳持たずのニャンコ先生。
これにはさなも
苦笑せざるを得なかった。