第2章 初デート〜White Love〜
イルミネーションで有名なケヤキロードを通ると、あまりにもロマンチックでお互いに終始はしゃぎっぱなしだった。
ビルズの中に入り、最上階までエレベーターで一気に駆け上がる。エレベーターを降り、早く見たくて足早に窓ガラスから外を観賞する。
「おい、待てって!夏美!」
「…わああ。すごい…。カズ君、早く早く!」
カズ君を手招きして、先に窓ガラスに張り付いてると色とりどりな光が混ざり合う大都会の夜景を目の当たりにし、私は口を限界まで開かせる。
「おっほー。こりゃすげーな。」
後から来たカズくんは私を包み込むように後ろからぴったりとくっつく。彼の温もりが背中いっぱいに広がり、心臓がドキドキする。
彼を見上げると私と同じくらい口を限界まで開いて、夜景に見入っており、思わず私は微笑みを浮かべる。
「ふふ、カズ君、私と同じ顔してるよ。」
「お!気が合うなー!…マジ嬉しい。」
カズ君は犬みたいに喜んで、強く抱きしめ頬を擦り付ける。
バスケしてる時は目が鋭くて男らしいのに、私といる時はこんなに可愛くて甘えてくれたり優しくしてくれる。
…他の人が知らないカズ君を独り占めできて、私はかなり幸せで、彼が愛しいし、思わず顔が綻ぶ。
私は彼に微笑みを向け見上げるとカズ君も優しく微笑む。
「ん?どうした、夏美?」
「…今日はありがとうね。疲れてるのに誘ってくれて。」
自分で言ってるのか疑うくらいの甘く囁くような声が出る。カズ君ははにかんだ後、私に耳打ちをした。
「いーんだよ!だってイブだし。…お前とどうしても一緒に過ごしたかったんだ。」
耳が弱い私は彼の吐息とはっきりと透き通る声に体がビクビクと震える。けど反抗する気は毛頭なかった。
私は顔を赤らめて後ろで抱き締める彼の胸元に体を預けてこう言った。
「うん。私もカズ君と一緒に過ごせて幸せだよ…。」
私達は閉館ギリギリまで光り輝く夜景を見ながらお互いにくっつきあっていた。