第2章 初デート〜White Love〜
ビルズを出て電車に乗り、自転車を置いた駅に着くとまた二穴をする。
またカズ君の背中を掴んで、彼の温もりを味わっていた。
カズ君は勿論嫌がりもせず私を受け入れて、そのまま私の家まで送ってくれた。
家の前に到着し、私は荷台から降りカズ君もサドルから降りて自転車を止める。
「今日はありがとうね。…いいイブだったよ。」
「俺もだぜ。こっちこそありがとな。」
お互い顔をくしゃくしゃにしてお礼を言い合うと、別れが名残惜しくてしばらく見つめ合う。
冬の寒風が吹き私は両手をこすり合わせ、肩を震えさせるとカズ君は私の元に寄り、強く抱き締める。
「…あったけーか?夏美?」
「…うん。とっても。ふふ、なんか告白してくれた時みたいだね。」
私は顔を緩ませて胸元に顔を押し付ける。
「…はは、そうだな。夏美。」
「なーに?」
カズ君に呼ばれて私は微笑みながら見上げると、彼は私の両頬に手を添える。
「…大好きだ。これからもずっと一緒にいような…。」
顔を近づけて甘い声で囁くカズ君に私の胸の高鳴りは最高潮になる。
堪らず私は彼の首を手を回して、囁き返した。
「…もちろんだよ。…I do love you,my sweet darling.」
長年のアメリカ生活でつい英語になった私。けど、カズ君は嬉しそうに微笑みを向け、英語で返してくれた。
「…ミートゥー!マイハニー!」
発音はちょっと不自然だけど、カズ君の有りっ丈の気持ちが伝わって逆に痺れる。
そしてお互い顔を近づけて、目を閉じ、唇を重ね合わせ、上唇を啄ばむ。
そう、お互いの息が続くまで…。