第4章 俺がアイツで、アイツが俺で 【前編】
「…ふん、高尾。お前の考えている事などたかが知れているのだよ」
ん?もしかして真ちゃん気づいちゃった?
鈍感と思いきや結構鋭いからな。俺は好奇心旺盛に尋ねた。
「お?なになに?当ててみ?」
真ちゃんはまた何時ものくせで眼鏡を上げる動作をしたのですかさず俺は突っ込みを入れた。
「ブッ!真ちゃん、俺眼鏡かけてないから!」
俺が吹き出すとヤツは恥ずかしそうに手を下げ、何事もなかったかのように俺を仏頂面で睨む。
「……氷室の水着姿が第一目的なのだろう?」
「あらら、ばれちった!」
俺は舌を出しておちゃらけて、頭をぽりぽりとかく。
「ふん、下世話なお前の事だからすぐにピンと来たのだよ」
「いーじゃんかよ!俺達男子高校生だぜ!エロいのは当然っしょ!真ちゃんもさ、好きな子の事想像したりすんじゃないの?」
俺がケラケラ笑いながらヤツの肩を組んでからかうとヤツは突然ムキになり出した。
「…煩いぞ、高尾!お前と一緒にするんじゃない!
それに俺には好きな女など断じていないのだよ!」
「なんでそんなムキになってんだよ?益々怪しい〜」
「…余りにもしつこいなら、明日行かないのだよ!」
俺は真ちゃんのその何気無く出た発言を見逃さなかった。よし、もう一押しだな。
「え、じゃあしつこくなきゃ行ってくれんの!?」
「な!何を言っている!?」
「頼むよー、エース様〜!来てくれたらお汁粉1年分奢ります!お願いします!」
俺は握り拳を作り懇願すると、真ちゃんは両手を組み溜息を交える。
「…仕方ない、行ってやるのだよ。」
「マジ!?サンキューー!!さっすが、俺の相棒!!」
「おい、辞めろ!気持ち悪いのだよ!」
で、勢いでハグすると真ちゃんは勿論うざったそうにしてた。
「よっしゃ、早速夏美にメールしてみるわ!」
俺は真ちゃんを放して自分のケータイをバックから取り出して夏美にメールをする。