第4章 俺がアイツで、アイツが俺で 【前編】
こんな非常事態だってのにおは朝を気にする真ちゃんに心底呆れ俺はゲンコツをかます。
「てめー!こんな時までおは朝かよ!?いい加減にしろよな!」
「うるさい!俺にとっては運命を左右する死活問題なのだよ!!」
そして真ちゃんが声を荒げて言ったのをきっかけにどうしようもない不毛な喧嘩が始まってしまった。
「いーや、俺の方こそ死活問題だぜ!夏美とイチャコラできなくなるかもしんねーんだからよ!どーしてくれんだよ!?」
「そんなのは知らん!!だいたい、お前達はいつでもどこでもイチャついてて鬱陶しいのだよ!」
「はっはーん?真ちゃんもしかして羨ましいの〜?」
俺がケラケラ笑いながら言った後、真ちゃんは眉間にシワを寄せ怒声を浴びせてきた。
「…高尾、いつも適当な事を言うんじゃないと毎回言ってるだろうが!!俺はお前のそんな所がいつも気に食わなくて仕方ないのだよ!!」
いつもなら適当に流してるけど、何せ余裕がないもんだから俺も合わせて奴に対する不満をぶちまけた。
「にゃにおう!真ちゃんこそ、俺いなかったら今頃超浮きまくりだぜ!寧ろ感謝しろっつーの!!それに大体あってんじゃん、俺の言ってること。
たくよ、少しは素直になれよ!めんどくせぇったらありゃしねーぜ!」
「お前はいつから俺の保護者になったのだよ!」
それから低レベルな言い争いが続き、俺達は気が済んだところでやっと落ち着いて解決策を練り始める。
「…はぁ、はぁ。あぁ疲れた。んで、どうするよ?」
「…はぁ、はぁ、どうするも何も、絶対元に戻ってやるに決まってるのだよ」
漫画だと入れ替わった時の状況を再度行って元に戻る方法が十八番(オハコ)だ。
と、すると、げぇ…。やっぱあれしかないのか…。
俺は嫌な予感しかせず背筋を凍らせ、黙っていると真ちゃんが口を開いてきた。