第2章 初デート〜White Love〜
ーー部活の終わりに、正門前でカズ君を待っている最中にWCの事を思い出していつの間にか顔がにやけていた。
しかも今日はクリスマスイブ。本当は部活で疲れてるのにも関わらず、カズ君からデートに誘ってくれた。
イブに大好きな彼氏と初デートなんて幸せすぎるでしょ。…本当にカズ君は私が言わなくても喜ぶ事をたくさんしてくれる、唯一無二の人だ。
(にしても、カズ君遅いなー。)
待ちくたびれかけてる私に後ろから誰かにポンポンと肩を叩かれる。
「カズ君!?」
嬉々として勢いよく振り向くと、犯人に肩に手を置かれたまま人差し指を立てられて私のほっぺがぐにゃっと凹む。
犯人を見て私の目は目一杯見開いた。
「…真ちゃん!?」
真ちゃんらしからぬイタズラに驚いた私を他所に、彼は眼鏡を押し上げて鼻で笑う。
「ふん。絵に描いたような間抜けな顔だな、氷室。」
「ひっどい!真ちゃんが悪戯するからじゃない!」
両頬を膨らませて立腹する私に構わず、真ちゃんは淡々と尋ねる。
「…これから高尾と出掛けるんだろう?」
「うん!六本木ビルズに行くんだー!」
さっきとは打って変わり嬉々として言う私。そして真ちゃんは相変わらず仏頂面で憎まれ口を叩く。
「ふん、リア充めが。爆発しろなのだよ。」
「えー!爆発しちゃったらあたしとカズ君に会えなくなっちゃうよ?」
私は真ちゃんの顔を覗き込んで、ニヤニヤしながらさっきの仕返しも込めて意地悪にからかう。
「ふん、うるさい奴らがいなくなって清々するのだよ。」
「ふふん、本当は寂しいくせに。」
意地を張る真ちゃんが面白くて、ついまたからかい真ちゃんは声を張る。
「氷室も高尾みたいに適当な事言うんじゃないのだよ!」
「…あたしは真ちゃんに会えなくなったら寂しいな。」
「な!?」
また頬を膨らませて真ちゃんを見上げると、彼は豆鉄砲を食らったような顔をする。